《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
そんな爽介が、何も言わずに
あたしを避けてる。



――いったい今、何を考えてん
の、爽介?


謝りもしないし、怒りもしない
なんて。


もしかしてもう、愛想つかし
ちゃったのかな?

あたしがホントに、矢崎さんを
選ぼうとしてるとでも思って。



――だからもう、何も言って
くれないの――?






……時間は残酷だ。



こんな状態でも、待ってなんて
くれない。


刻一刻と日々は過ぎて、渡仏の
日が――コンクール本選が、
迫ってくる。



どうしよう。


あたしは、爽介のサポーター
なのに。


それに、一緒に優勝を目指す
パートナーのはずなのに。


こんな状態のまま、パリに行っ
ちゃっていいわけがない。


それだけは警笛みたいにずっと、
心の中で響いてる。
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