《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
そう思ったのとほぼ同時に、
あたしの背後から、


「鈴原先生!」


イチバン奥の方にいた爽介が、
男の人に向かって呼びかける。


爽介はあたし達をかきわけて
進み出て、その人の前に立つと、


「ご無沙汰してます。

今回はすいません、直接挨拶にも
行かないで」


そう言って、深々と頭を下げた。



――やっぱり、この人が鈴原さん
なんだ。


あたしは遠慮がちに、鈴原さんを
観察してみる。


歳は、50代かな?

新条さんよりも年上っぽい。


背はあたしと同じくらいで、
爽介と並ぶとかなりちっちゃく
感じられる。


痩せ型の体にキャメル地のスーツ
をピシッと着てて、優しそうな
顔立ちに丸フレームのメガネ。


新条さんみたいなチョイワル系
とはまた違って、この人は上品に
オシャレなオジサマって感じ。



そんな鈴原さんは、懐かしそうな
表情で爽介を見上げると、


「かまいませんよ。

私が、必要ないと言ったんです
から。

それにしても、見違えるほど
立派な顔つきになりましたねぇ」
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