秘 め ご と 。


二人っきりの部屋に先生の声がよく響く。


ドアにカギをかけた先生は、私の座ってるソファーに腰を下ろした。



「…俺以外の男なんか見んな。」



不機嫌な先生は、ぎゅっと私を引き寄せる。私も先生の背中に手を回すと、さらにきつく抱きしめられた。


「話すな、近付くな、笑いかけんな。二人っきりなんてもってのほか」



「…でも、綾瀬くんは友達だよ」



そう。今、一番よく話す友達は綾瀬くんだ。女の子の友達もいるけど席も遠いし、長い休み時間くらいしか話さない。



「…友達もダメ。本当は女もダメにしたいくらい」



「せんせ…い」



「お前を誰にも見せたくない。俺だけの物にしたい…。」



そう言った先生の声が弱々しくて私は、強く抱きしめる先生の胸を少し押し返し、先生の眼鏡を外して



―キスをした。




深く深く…。
先生の不安を取り除くように。




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