先生の秘密
第六章 理事長登場


崎浜高校は全寮制である。


二人一部屋だが、決して狭くはなく、設備も最新鋭の物を組み込まれている。


食堂も、ヘルシー食からスタミナ食まで多種多様に取り揃えており、崎浜高校では少ない男子にとっても、嬉しがられるメニューだ。


だから、この寮を目当てに崎浜高校を受験する生徒も少なくない。


だが、大半の生徒が受験する理由としては、この高校の学費全額免除制度にあるだろう。


勿論、全ての生徒に適用するわけではない。


理事長自らが、特別支援が必要だと判断された生徒にだけ適用されるのだ。


かくゆう私もその一人だ。


ちなみに聖やはつかも同じ。


噂によると、生徒会では会長と副会長の二人が制度の世話になっているらしいが。


特に、私や聖、はつかは理事長に多大な恩恵を授かっているから、何かあったのではないかという疑いがあれば無視するわけにはいかない。


教師寮の最上階、カードキーがないと入れないその場所も、私にとっては第二の家みたいなものだ。


「お久しぶりです。理事長」


「あら、来るなら一言伝えてくれたらよかったのに」



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