幸せよりも欲しいものは何ですか?

変わらない風景

この日の夜も
春樹は私の体に触れてきた。

私は戸惑いながらも、春樹に身を捧げた。


この時間は

この時間だけは

春樹の頭の中を私で埋められる気がした。

春樹が私の名前を呼ぶたびに、そう感じた。




私の頭の中は、こんなにも複雑で色んな感情が飛び交ってると言うのに、体だけはシンプルに春樹の手に反応してる。



私の口から、吐息が洩れる。

春樹の唇で、それが塞がれた。




私は春樹の大きな背中に手を回して、私達は果てた。



私の上に倒れてきて、息を切らしてる春樹から

少しだけ まだ

温泉の香りがした。



私は 春樹の腕の中で
深い眠りに落ちていく。
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