きみの腕の中で


そして、やっぱりマイペース人間な彼はコンクリートに寝っ転がりだした。


車通りはほとんどないに等しいとはいえ…車道に。


「またお前はそんなところで…」


「車道のが汚くねえだろ」


なんて、素直に頷いていいのかなんだかよくわからない理論をソフトモヒカンに投げかけながら。


他の人なんかも飽きたようにそこらへんに座り込んだりしだし、それぞれで小さなグループになって楽しそうに話を始めた頃


「ありがとう」


こっちに関心が薄れてる今がチャンスだ…と私が“ミツキ”に声をかけた。


大勢が見てる中だと、少し気がひけたから。


それなのに…私が一言声を発しただけで、散りだしていた視線が一斉に私に集まった。


車通りが少ないのが影響してか、周辺は静まり返っていて
大して声を張らなくても十二分に響き渡ったらしい。

“アカリ”との乱闘前の会話が通りでコンビニ裏にいた彼らのも聞こえたわけだ。


それにプラスして
“ミツキ”が言った通りに、この人たちは“アカリ”の仲間たちみたいに
ぎゃあぎゃあと騒ぐことはしなかった為に、私の声「ありがとう」という言葉が意識をしなくても聞こえてきたんだと思う。

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