傷の行方
彼の両親は彼に早く結婚をするように




随分前から話をしていたらしく




彼の結婚相手は 当然お見合いで決める




という話を聞いてさらにショックを受けた




ある程度覚悟はしていたものの




いざ そういう話になると




それが現実なんだと思わされる




そして彼の口から悲しい言葉を聞いた



私の父親について




両親から話がでたらしく




交際すらしないように言われていたのだ




「お母さんが友達になったらだめって」




あの小学校の頃を思い出す




泣きたい気持ちをこらえて




平然を装い




私は小学校では「わかった」



と言っていたけど




彼の口からそうやって




「両親に言われていたんだ」




と聞くと




彼は離れるんだ



という気持ちになってしまい


悲しくなった
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