傷の行方
だから同棲をまたすることになった時



どうしたらいいかわからなかった


彼に


「そばにいてほしい」と言うと


彼は


「また一緒に暮らす?」


と冗談みたいに言った



私が真剣な顔で



「調子良すぎるかな?」というと


彼は「いいじゃん 何でもしてみるもんだ



俺も実は実家にいたくないんだ」


と笑った



本当に行動力のある彼は



翌日から自分の荷物を運んできた


まだダンボールにそのまま



出ていった時と同じ状態で



置いてあったらしく



ダンボールごと運んだら



引越しは終了した



私達の再出発



恋人でも友達でも



同居人でもない関係の始まり


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