傷の行方

限界

あるものとは



I字のカミソリと



退職届だった



入社して半年で


一度辞めたいと話していた



セクハラもひどいし


ひとりで営業させても


もらえないし



具合も悪くないのに



「熱がある」と


額を触り


ソファに無理矢理横にさせ



身体を触られること


すべてを話


辞めたいと言ったが


統括課長も統括部長も


受け入れてくれなかった



それから半年耐えて



限界を感じた



何より怒りがあった


父親を思い出し


頼ってしまいそうな程



そうなる前に決着を



そう思い


私は朝礼の時に



カミソリをだし



退職届を持って



沢山の社員がいる中で



「本日付で退職します」


と言った




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