傷の行方
正しいことがわからない
会社は制服だった



私服をどんなに男っぽくしても


制服ではどうにもできなかった



40代の女性が私の直の上司だった


彼女の半分くらいしかまだ


生きていない私に



彼女は「ご愁傷さま」と笑った


そして「受付嬢なんだから化粧くらいして」


とキツイ口調で言った


社会人としては確かに


化粧くらいしないととは思った



なにも変わらなかったから


化粧くらいしていこう


そしてしばらくして


私は彼女に呼び出された



外見ではなく


仕事ができるという評価が欲しかった



だから私は必死に仕事をこなした


受付係で終わるのは嫌だった


経理の仕事もしたかった



やがて上司である怠け者の



その女性より はるかに



頼りにされるようになった



そこへ きての呼び出しだった



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