傷の行方
「私はこれから実家をでて



バイトで生活をしながら



高校に通います



付き合うと言っても



一緒にいられる時間は



とても少ないです」



と言った



すると



「それなら一緒に暮らせばいいじゃん」



と笑顔で言いだした



ゆっくり知って



ゆっくり好きになってくれればいいと言う



一緒に住むなんて絶対無理だと思っていた



でも彼は行動的で



すぐに家を探し荷物を運び



ほんの少しの間



私は高校生と主婦とバイトをしていた



病院にも通いながら生活をした



今となって考えると彼がいなかったら



生活なんてきっと



できなかっただろう



病気だって悪化するばかりだっただろう


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