傷の行方
早朝の掃除のバイトで




そのままその会社の



事務員として採用された時も




「何を考えているのかわからない」



とよく言われた



そういうのが厄介なんだということも



けれど自覚がないから



相手も困るだろうけれど



私も困った



逆に周りはどうしてこんなにも



わかりやすいのだろうと



そちらの方がずっと私には不思議で



そして厄介だった



私の病は精神的なことだった



最初はノイローゼのような感じ



そしてその後



自律神経失調症となり



そして鬱病となり



人格障害という名前もでたりした



自分の殻に閉じこもってしまったら



しばらくはでてこない



もちろん お金を稼ぐための仕事は


きちんとこなしていた



「人として」私はなにか



不足していたらしい



それは



父親の愛情と



お金というものの価値が



狂わせたのだと医者はいう




そういう病は完治するのは難しいとも



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