傷の行方
しばらく食事をして会話をしていたら


恋人同士のようになった



職場は社内恋愛は禁止ではなかった



でもこっそり 一緒に帰ったりしていた



私はどんどん彼に惹かれて行った



とにかく笑顔が素敵な人だった



彼は付き合おうと言ってくれた



私はこの人と幸せになりたいと思った



自分でも凄く驚いた



男なんか 身体が目当てなだけ



とか



そういう概念がなくなっていた



彼と川まで一緒に行って



川を見ながら職場の人の話をしたり



ぼーっとしたり



彼は身体より心を求めていた



外見からではなく



内面から先に



私を好きになってくれた人



心のどこかでまだ


同棲していた彼がいたけれど





きっといつか忘れると思った

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