傷の行方
彼は結婚したがった



私を独り占めしたいといい始めた頃



私は少し怖くなっていた



なにか私の中で



望んでいることが



お互い一緒でも



一緒になってはいけないような



そんな気持ちになったからだった



会社で目を合わせて



今日時間ある?という合図を



ジェスチャーでやっていたり



駐車場で待ってるとか



小さいメモを通りすぎる時にこっそり



渡したり



社内恋愛はうまく続いていた




誰にも気づかれないように



そして



夕食を一緒に食べて



深夜私を送ってくれる



そんな毎日だった



深夜送ってくれた車の中で



「まだ家には入れてくれないのかな?」



と聞かれた




私は「うん、きっと嫌な思いをするから」




と言って断っていた



「同棲してた人と連絡とったり



ここへその人がくることはないから




心配はしないで」




と言って安心してほしいと伝えた


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