envyⅠ



それを聞いてやっぱり!!!!!って思ったし、顔から火が出るかと思った。
あの後部屋に戻ったら買ったはずのナプキンと鎮痛剤がなくて、置いてきたと考えられるのはあの部屋しかなくて。

新しいものを買ってきてくれたから大丈夫だったんだけど、太郎さんに中身見られたんじゃないの!?てか見なくても袋でわかるんじゃないの!?!?って恥ずかしくて仕方がなかった。
まさかもう会うことはないと思ってたのに、その話を持ち出された私は気が気じゃなかった。
ポロッと太郎さんが、生理薬置いてったみたいだけど大丈夫だった?なんて言い出しそうで。


「返しそびれたもの…?」
訝しげな優さんの視線を感じる。
「うん」
太郎さんもちらっと私を見る。
だからものすごく焦った。本当に生理用品とか言い出すんじゃないかって。

「も、もういいです!間に合ったんで!!ありがとうございます」
だから私は先に話を終わらせようとした。

「んー、でも僕いらないし…」
なのに太郎さんはそんな事言う。
ほらやっぱり!!!やっぱり中身知ってた!!!!!もうありえないくらい恥ずかしかった。


「そっちで処分してくれていいですから!!!」

でも買ったばっかりの新品を捨てるのはもったいないし、他の子に僕があげるわけにいかないでしょ
なんて太郎さんが言うから、もう私は恥ずかしくて泣きそうだった。
もういいのに!なんのいじめだよってくらい太郎さんはそこに拘る。



慌てていっぱいいっぱいな私と、なぜかそこは譲らない太郎さんを見かねた優さんの
「いいですよ、別に。今日中に返してもらえれば」という言葉でやっとこの話題から解放された。







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