桜ノ籠 -サクラノカゴ-
ね、コータ君、
と同意を求めると、コータ君は、

お、おぉ…
と、照れた様に咲耶ちゃんから顔を反らした。

やっぱり、二人は羨ましいくらい素敵だな。



「…つう事は、水無月を遠くから眺めてるヤツラは報われない、わけだな」

「え?」

コータ君の言葉の意味が分からず、私は首を傾げる。


「さっき言ったろ、咲耶に。あんま水無月にくっついてると、恨まれるぞ、って」

「…なんで、咲耶ちゃんが私にくっつくと恨まれるの?」

「ニブ過ぎ、伽羅」

咲耶ちゃんにおでこを指ではじかれ、ぃた、とおでこを押さえた。



「男にも女にも憧れだからね、伽羅は」

「ま、またまた…、咲耶ちゃん、からかってるでしょ」

咲耶ちゃんは人差し指をたてて、チッチッチッ、と左右に振った。



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