桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「…じゃあ、いってくる」

背を向けたカズ兄の言葉だけが、私に届く。

「う、うん…」

私は、小さくうなずいて、応えるしか出来なかった。


早く、
早く、

でかけてしまってよ、カズ兄。


早く、

ここから、
私のそばからいなくなって。


でないと、
こらえてる涙が流れてしまう。


大声で、
泣いてしまいそうだよ。


行かないで、と。

泣いてしまう。




泣いてしまうよ、

カズ兄。




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