桜ノ籠 -サクラノカゴ-
早くー、
そう願ったことが、幻を見せたのかと思った。
道路の向こうに、
走る伽羅の姿。
その姿があまりに必死で、
幻じゃないと、すぐに気付いて、可笑しくなった。
伽羅の長い黒髪に、紅い葉が幾つかついていた。
風で舞った葉が、ついたのだろう。
そんなことも気に留めず、走り続けていたのだろう。
それだけで、愛しくなる。
オレ、相当重症だな。
伽羅、
お前が愛おしくて、仕方ないんだ。
もう、どうしようもないほど、お前が、
すきなんだ。