桜ノ籠 -サクラノカゴ-

 ♢

日が沈み、
空が藍色から闇夜に染まった頃、


玄関の鍵が開けられる音がした。



そして、


「ただいま」


聴こえる、

優しく、愛しい声。



その声に、私は答える。



「おかえりなさい。青磁先生」




伝えると、


微笑む青磁先生が、


私の頭をくしゃくしゃ、
と、

優しく撫でてくれた。




< 317 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop