桜ノ籠 -サクラノカゴ-
冬ノ第一章

時雨の音



 ♢

闇に捕われた心は、
なかなかもとには戻らなかった。


でも、

青磁先生は、

「もとのカタチに戻ろうとしなくてもいい。伽羅ちゃんが、今なれるように、なりたいようになればいいんだ」


そう言って、
青磁先生は、

私と一緒に立ち止まって、
私と一緒に考えてくれた。



なりたい私になれるように、




一緒に、


そばに、


いてくれた。






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