桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「缶、空いてるの、片付けます」

そう言ってテーブルに近づこうとすると、


「これはいい、伽羅はもう寝なさい」

急に大人の口調になって、
私の動きを、制した。


「ど、したんですか?」

急に、
そんな口調で、

まるで、子供を寝かしつける大人のようにーー


「片付けてから寝ます」

何だか、
そんな青磁先生の言葉に従いたくなくて、

私はテーブルの上の缶に手を伸ばした。


すると、
その手を青磁先生が、掴んだ。


「言うことを聞くんだ」


なんで?

なんで、
そんな風に言うの?


「…なんで…そんな風に…」

知らず、
涙が滲みそうになる。


やめて、やめてよ。
そんな風にーー……



「やめろ、そんな目で俺を見るな」

え?



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