桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「青磁さんと一緒に、いたいんです」
私がそう言うと、
青磁さんは、優しいキスをしてくれた。
「わかった。だが何かあったら無理せず俺に言うんだぞ」
「はい」
「……それにしても、ホント、突然やってきたな。しかも、こんな日に……」
こ、こんな日にって!
そんな青磁さんの言葉一つで
また
顔が熱くなる。
「青磁ーー?玄関、蹴破るわよ!」
本当にやりかねない茜さんの声に、
二人で笑った。
「今出るからマンションの下で待ってろ、茜姉」
玄関越しに、
青磁さんが声をかけると、
しょーがないわねぇー、
といいつつ、
ヒールの靴音が、遠くなって行った。