冬の日の犬のお話
『連れて行ってどうする?』


『さあ…でも…出会っちゃったから…』


獣医は真樹子をまじまじと見た。


『何もしてあげられないけど…最期は…人のそばにいたいんじゃないかな…なんて…』


『何言ってやがる』


『ほら、出会っちゃったから…』

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