冬の日の犬のお話
『さあ、今度こそ帰れよ。』


獣医は真樹子を追い立てた。


『こいつは置いて行け。仕事帰りに会いに来ればいい。』


『そんな…ご迷惑じゃ』


『迷惑だが仕方ねえんだろ?出会っちまったんだからな。』


『あ、あの、お金…』


『俺は芋羊羹が好きだ。早く帰れ疫病神!』

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