冬の日の犬のお話
包みはの…見覚えのあるそれは、竹蔵の手ぬぐいじゃった。
中に口入れ屋から渡された前金と、折りたたんだ文が入っておった。
弥助はそれを見て、心の臓を握りつぶされたような気持ちになったのじゃ。


竹蔵はきっと、自分を見捨てて逃げた儂を恨んでおるじゃろう…
儂への恨みをしろに託して、しづに知らせたのじゃろう…
とな。


文を読んだしづはの、すすり泣きながら弥助に文を渡した。
弥助は震える手で、文を読んだのじゃ。

< 79 / 135 >

この作品をシェア

pagetop