雨音色
「どう、とは?」


確認するかのように、彼が尋ねる。


タマは、右手に握りこぶしを作っていた。


「・・・お嬢様と、藤木様のことです」


「・・・あぁ」


まるでため息をつくかのような返事が返ってきた。


気が抜けるような、苛立たせるような。


そんな声だった。


「旦那さま、私は・・・」


「認めない」


「え?」


その時、初めて彼は彼女の方を向いた。


タマを見る目は鋭く、


彼女は思わずその視線に寒気を覚えてしまった。


「私は、認めない」


「・・・」


「2人の結婚は認めない」


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