雨音色
「本当、その通りだね」


彼は苦笑交じりで答えた。


「でもね、1つだけ、今でもああすれば良かったって、後悔している事があるの」


「母さんが?意外だね」


「そうでしょ?ねぇ、何だと思う?」


考えてはみたが、思い当たる節は無かった。


「うーん、分かんないや。何?」


少しの間の後、彼女は恥ずかしそうに言った。
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