黒の世界

「ま…待って!」


垂れるのを服にかからないように奏に追い付く。



「あれ…誰?知り合い?」



「…さぁ?」



「さぁって…どういうこと?」


「名前しらねぇ」



「え…?でも何か話してたじゃん」



「話しかけられたから返しただけだ」



「知らない人にも声かけられるの?」



「…たまにな」



そう呟いた奏は私の頭をクシャッと撫でた。

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