心の中の宝物


「これで全部だよ。」


やっと話せた。

やっと・・・


私の心が軽くなったのを感じた。



「桜。辛かったんだね。本当に辛かったんだね。」


みなみは以前先生が言ってくれた言葉を言って私を抱きしめてくれた。


私の気持ちを受けとめるように

強く

強く


抱きしめてくれた。



「みなみ・・・ごめんね。」


「ううん。私こそごめん。ありがとうね。」



私は大きく首を振った。



みなみが悪いんじゃない。


私が全部悪いんだ。



私は思ってるほど大人じゃない。


15歳は子供でも大人でもないちょうど真ん中の時だと思ってた。



でも私はすっごくまだまだ子供で誰かに後押しされないと・・・

誰かを傷つけないとゴールにたどり着けない。



いや・・・


それでもゴールなんて全然まだ先だ。



でも私たちはこうやって大人になっていくんだね。

< 131 / 187 >

この作品をシェア

pagetop