濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
「お前はまだ俺の事わかっちゃいねーな。この一年の間、お前の事ばかり考えてたのにな」
「…翔ちゃん」
「どんな女に声をかけられ様が、俺はお前しかいらない。お前の事しか欲しくない」
「…翔ちゃん……」
「早くこうしてお前を抱きしめたかった。お前に触れたくて仕方なかった」
翔ちゃんの抱きしめる腕の力が段々と強まって行く。
翔ちゃんは私の事をそんな風に思ってくれてたんだね。
なのに私は、何を不安になってたんだろう…どうして気になってたんだろう。