濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-


「…あの……」


「なんだ?」


「…どうして…婚約破棄しないの?私…記憶がないのに…何も思い出せないのに…」


「俺とお前はそんな簡単に壊れる様な仲じゃねぇからな」


「…そっか」


「お前の記憶があろうが無かろうが、愛してる気持ちは変わらねぇからな。いつか思い出す時まで、まったり行けばいい」


「…ありがとう」




翔矢さんの事覚えてないけど…でも…話してて嫌な気は全然しない。


…不思議だな。



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