濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-


「紗耶。俺はな、お前にプロポーズした日から…何があってもお前の手を離さないと決めた」


「…っ…ヒクッ……っ…」


「記憶が戻らねぇのなら…新しい記憶を作ればいいだけの話しじゃねぇか。もう一度俺の事を惚れさせるまでだ」


「…ヒクッ…翔矢さっ…うぅ…」


「お前が負い目を感じる事はない。そもそもあの時、俺が守ってやってればお前は傷つかずに済んだんだ…」




翔矢さんは私の両手をぐっと握り、瞳に涙を溜めて私を見つめる。


翔矢さんから視線を反らせずにいて…私はただただじっと見つめてた。



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