濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
「…紗耶…俺がわかるのか?」
「え?翔ちゃんおかしな事言うんだね。わかるに決まってるよ。私の大好きな翔ちゃんでしょ?」
「……紗耶」
俺は紗耶の手を引き抱き寄せ力いっぱい強く抱きしめた。
記憶が、戻ったんだな。
「翔ちゃっ…く、苦しいよ」
「…悪い悪い」
「さっきからなんか変だよ?何か嫌な夢でも見たの?」
「…まあな」
昨日のぶっちゃけた話しが効いたのか…それとも抱きしめた事がよかったのか…。