濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
朝の7時半。
ガチャッと玄関のドアの鍵が開く音がして、私は急いで玄関へと向かう。
「ただいま」
「おかえりなさい。ねぇ翔ちゃん、大丈夫?」
「ああ。心配かけてごめんな」
「ううん。お仕事は、解決したの?」
「まあな。監禁事件だったんだ。一人の男が何人もの女を監禁してた」
「…そうなんだ」
「そいつは前科があってな。ややこしいから俺等が出た」
そうだったんだ…。
翔ちゃん現場へ出てたんだ。