濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
ったく。
俺が理性と格闘してるっつーのに、可愛い顔して寝やがって。
「行って来るな」
朝、熟睡している紗耶にキスをして署へと向かった。
車を職員専用駐車場へ停めて署へ入ろうとした矢先、一人の女が視界に入る。
誰だあれ?
…どこかで見た事あるな。
その女は俺と目が合うとすぐ、その場から小走りで去って行った。
見た事ある事は確かなんだが…時と場所までは思い出せねぇ…。
まあ、いいか。
用があんなら、また会うだろ。