濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
今日一日、特に変わった事もなく筋トレや射撃訓練を中心とし一日を終えた。
署を出てすぐの所で、今朝見掛けた女が同じ場所に立ってた。
またいるな。
今度はその女は視線を反らす事なく、俺に向かって歩いて来る。
「あの、お久しぶりです」
「…悪い。いつ、どこで会ったっけな」
「以前、この近くの線路で助けて貰った…」
海で…助けた?
…ああ。わかった。
つい最近、線路で自殺しようとしていた女か…。