りありてぃ☆中学せーかつ!!
ドッキドキ☆
「あぁ~~~!!もうっ!楽しみで眠れない!!」
ベッドの上で興奮しているのは、明日中学校の入学式を控えている、霧島塔子。元気だけが取り柄の、運動神経抜群の、どちらかと言うと、一般的な女子。そんな彼女は明日、中学生になるのだ。

「・・・子・・!」
「・・ん~・・」
「・・塔子・・!」
「・・ん・・ん~」
「塔子!!」
「んあっ!!な、何!?」
抱いていた布団を引っぺがされ、耳元でお兄ちゃんが叫ぶ。
「塔子!ほらっ、起きろ!!」
「な、何!?何!?」
寝起きのせいか、頭が混乱して、思わず聞き返した。
「何ってお前・・・。今日は、中学の・・」
「入学式だ!!ヤバイ!!遅刻~~!!」
兄の話に割り込んで、言い切ったあとに、階段をバタバタと降りる。兄はあきれた顔で階段を降りていく。そしてキッチンに戻り、朝食の準備を続ける。
「い~や~!髪の毛ボッサボサ!!お兄ちゃ~ん!制服何処だっけ~??」
「制服は自分の部屋だろ?」
「あ!そうだった!!」
ふぅーっと兄はため息を出す。あたしとお兄ちゃんは二人暮し。親が事故で亡くなってから、ずっと二人暮し。別に不満はないよ。だって、あたしにとってお兄ちゃんは、日本一だもん!やさしくて、面白くて、カッコよくて・・・。
「お兄ちゃ~ん!!朝ごはんの準備できた~?」
「とっくにできてますよ~」
「ホント!?じゃあ今行くね~!!」
バタバタと大きな足音をたてながら、階段を滑り降りる。朝食のいい香り。鼻をくすぐって誘惑する。
「ほら、早く食え!」

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