†Helfin Reise†
「はい、そうです。さっき話したように、私は兄を見習ってこれまで生きてきました。でも、このままじゃいけないって思ったんです!強くなって兄のように、生きていかないとって。それで、執事やメイドがいないときを見計らって、家を飛び出しました。けど、部屋に寝ているジャンティーユと弓のシュネルを置いてきてしまって…。それで、家に帰ろうとしたときに、あの人達に出会ってしまったんです。」

「へぇー。カーラは金持ちのお嬢様ってわけだ。ジャンティーユってカペラ?」

「そんなことないですよ。この街は、私の家よりもっと凄い人もいます。ジャンティーユですか?はい、猫の姿をしたカペラですよ。兄が幼い私にくれました。」

ある程度カーラについて情報が集まったとみたリグルは、話をやめカーラに寝るよう薦めた。

「明日の朝、用事があるんだ。カーラも疲れただろう?早く寝るといいよ。ベット使っていいからな。」

「えっ?じゃあリグルさんは?」

「ばーか。俺は男だぜ?お嬢様にはベットでゆっくり寝てもらいたいのです。」

と、執事口調で布団をめくり、寝るように促す。

そんなリグルの態度に、カーラはふふっ。と笑いながら答えた。

「わかりました。あなたがそれほどすすめるのでしたら、寝ますね。」
< 12 / 21 >

この作品をシェア

pagetop