約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて
カギを開け、そっとドアを
開ける。
息を切らしながら、荒々しく
ドアが全開する。
心配そうにわたしを覗き込む
亮君に、わたしはフッと頼り
ない笑顔を見せる。
「ムリして笑うな。笑わなくて
いいから。」
そういって抱き寄せる亮君の胸で
おもいっきり泣いた。
本当は、亮君の胸で泣いてること
がおかしい事なのにね。
亮君の胸で温人の事を想って
泣いている。
わたし、自分が本当に嫌になる。
そんなわたしをだまってそっと
亮君は抱きしめていてくれたんだ。
わたしが泣きやむまで。