恋心
「徹ちゃん起きたよ。起きたから。」


キスの雨がやっととまる。

「ほんとか?
昨日は、そう言って、俺が離れたらまたすぐ寝たぞ。」


「起きた。
すごく起きた、きっぱり起きた、はりきって起きた。二度寝なんてしないから。」


とにかく起きた事をアピール。


「なんだそれ。」


くすくす笑う徹ちゃん。


もう、二度寝なんて恐ろしい事絶対しない。


昨日はうっかり二度寝してしまった。


恐ろしい。


起きるまで、キスを続ける徹ちゃん。


昨日足のむずがゆさに二度寝から目覚めた時は、足の指をキスされていた。


びっくりした。


心臓止まるかと思った。


徹ちゃんいわく、

「いつもの通りにしてても起きないから、指先、それでも起きないから足の指にいった。」

と、まるであたりまえのように言われた。




いやいや、徹ちゃん、それ間違ってるから。



「おはよう」と声をかけるとか、肩をたたくとか、普通にいろいろあるから。


さらに

「二度寝するなんて、疲れてんだな。」

と、徹ちゃんが作ってくれた朝食がのるテーブルまでお姫様抱っこでつれてかれ、いつものように徹ちゃんのお父さんと三人で食べた。


お父さん苦笑いだったな。


すごい恥ずかしかった。


もういや。


絶対二度寝はしない。
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