恋心
「じゃ、朝ごはんたべるぞ。」


腰に手をまわされ、立ち上がる。


あっ朝ごはん。


今日こそは作ろうと思ったのに。


自分の寝起きの悪さに落ち込む。


「ごめんね徹ちゃん。
今日塾の模試の日なのに。
朝ごはん作らせちゃって。」


申し訳なくて顔があげれない。


「俺はいつも通りがいいな。
ねぼすけ恵理を起こす方がいい。
いつも通りが一番実力だせる。
だから恵理も、俺が実力だせるようにいつも通りでいて。」


優しく腕に包まれ、頭をなでられる。


優しい徹ちゃん。


そんなこと言われたら、もう何も言えない。




徹ちゃんの行ってる塾は、模試上位者に特典がある。

上位になればなるほど、払う月謝が安くなったりする。


上位者は有名大学に入る。

そうすれば、塾の宣伝になる。


だから安くなるらしい。


つねにトップの徹ちゃんは、すごく安くなってるとか。


だから俺でも行けると徹ちゃんが前に笑いながら話してくれた。



「ほら、朝ごはん食べるぞ。」


手をひかれて部屋を出てる。
< 3 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop