教室の片隅で秘密の放課後
「ぷっ…」
「『ぷっ』って何ですか!“ぷっ”って!笑わないで下さいよ!」
「わりぃわりぃ!しっかしその歳で迷子になる奴なんか初めて見た」
馬鹿にしたように見下す彼になんだかムカつく。
すいませんね!
迷子で!
自分でも恥ずかしいですよ!
「あ〜。可笑しい。君、名前は?」
「…織原です」
「俺は冴島。織原さん、迷子ならさ、車で家まで送っていってあげようか?」
スーツのポケットの中に手を突っ込んで車のキーを取り出す彼に思わず身構える。
そりゃあ、送ってほしい。
是非とも送ってほしいけど!