一匹狼と無邪気なワンコ
 

 ――俺は何度も何度も手紙を読み返した。


 暗記できたんじゃないかってくらいに。


「はぁ……大滝君、か」


 俺は狼と一緒で寂しかったんだ、きっと。


 
 過去の闇を胸に閉じ込めて、もう誰にも心を開かない、みんなうわべだけでいい……なんてのは結局ただの強がりだったんだ。



 こいつと出会って、センセにヒントをもらえて俺は悟った。


 無邪気なわんこなんて皮をかぶったつもりだったけど……

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