一匹狼と無邪気なワンコ

 やっと前向きになれて……学校には俺が居て……なのにアイツらのせいでこんな……こんな結果に……



『後悔していないと言ったらウソになる。でもちょっと……そうだな、ちょっと休みたい。お前とまた出会うその時まで俺はしばらく眠る事にする。体には気を付けろよ』



 あとは勉強ちゃんとしろだの、授業中は寝るな、だの……


 保健室でサボるのもほどほどにしろ、だの……いつもの狼らしい事が書いてあった。

 


 
 ――そう、いじめの事なんて何一つ書いてなかったんだ。


 最後までアイツは隠し通した。


 俺だけじゃない、親父さんらを心配させないために。

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