愛なんて無かった




「うっ…」

微かな呻き声が聞こえて汗ばんだ肌に抱き締められる。

思わず少し身を捻ったら首の後ろに腕を回されしっかりと頭を固定された。

不満そうに『彼』を見上げると考えが読めないぶっきらぼうな表情で深く深く口づけられる。

反射的に口を開けてしまったので舌が絡んで、

くちゅっ

と、ベッドの軋む音のかわりに静かな部屋に響いた。

そして再びゆっくりと動き出した『彼』に少し苛立ちを感じた。




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