ストライプ ブルー
「ない…みたい。」
多分あの子達…かな?
嫌がらせには慣れっこだけど靴がないのは初めてで
空っぽの下駄箱を開けたまま固まっていた。
『もしかして俺のせい?』
「多分一也のせい」
しばらく一緒に靴箱を眺めていた一也は
『ちょっとこうして』
「なんで?」
『いいから。はいっ』
されるがままに斜めにかけていた鞄を胸に抱え込む。
『じゃあ行こうか。』
そう言うと突然一也に抱き上げられた。
「ちょっと待った!」
『待たない』
「止めてよ」
『止めないよぉ。キャ~お姫様抱っこ。恥ずかしい。』
ニコニコ笑いながら一也は堂々と歩いて行く。