我、ホームレス!
俺は……。
 俺はホームレスだ。

 ホームレスなんて聞いちゃ、しがない中年親父を想像するだろう。

 まあ、確かにそうだ。ここに流れ着いてから、俺は一歩もここから動いちゃいないからな。

 就職? なんじゅそりゃ? 人間の世界は随分とめんどくさいと聞いたが、生憎俺にはそんな事は関係ない。

 道端にいりゃ、人間達はせわしなく動いている。時折、俺の足を踏みつけやがっては、謝る素ぶりもみせねえ。

 最近は気候も暖かくなりやがった。たまにふらりとやってくる奴はいるが、俺のように定住する奴はまだいねえ。雨にも風にもさらされ、家はない。

 俺のホームレス人生も長い。そろそろ朽ち果てる頃じゃねえかと思う日もある。

 そもそも、ここに来た頃の俺はまだまだヒヨっ子だったがな。前の住人が出迎えてくれたが、ちょっと前に死んじまった。

 それから、俺の孤独な生活が始まった。

 朽ち果てる前に、俺は子を残す。俺の種族は男も女も死ぬ前に皆子供を残すのさ。それも一人じゃねえ。何十にも昇る。命を引き換えにして子供を残すのだから、当然子供には立派に育ってほしいがな。

 その姿を拝めねえのは残念だけどよ……。

 子供はすぐに親元を離れる。風に乗ってはどこまでも旅を続ける。

 どこに行きつくかも知らねえ未知の旅、ってやつさ。

 そんな中で一人の子供が俺の前にやってきた。

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