幸せという病気




《武~。もうすぐお兄ちゃんになるんだよぉ?》


《へ?》


《お母さんのお腹の中にねぇ、赤ちゃんがいるの》


《赤ちゃん?》


《そう。武の妹》


《妹かぁ。もう生まれるのぉ?》


《うんっ。もう名前も決めてあるの》


《何ぃ?》


《遥って名前の女の子》


《遥ぁ?》


《可愛い名前でしょぉ?》


《うんっ》










「武!遥いじめちゃダメでしょ!」

「だってぇ」

「だってじゃないの!遥にお菓子あげなさい」

「これ僕のだもん」

「いじわるしないの!」

「・・・」

「もうお兄ちゃんなんだから。我慢しなさい」

「・・・もぅいらないっ」

「いらないって・・・武、どこ行くの?」

「お父さんと野球する!」







「ねぇお父さん。野球しよぉ?」

「なんだ武か。忙しいから遥と遊んでおいで?」

「遥、野球出来ないもんっ」

「教えてやりゃいいじゃねぇか」

「・・・僕、お父さんに教えてもらいたぃ」

「武はお兄ちゃんだろ?」

「・・・」







「お兄ちゃん遊ぼぉ?」

「嫌だよ~遥は人形で遊んでればいいじゃん」

「お兄ちゃんと遊びたいもん」

「遥、野球出来ねぇじゃん」

「・・・出来るぅ!」

「出来ねぇよ。あ~ぁ。弟がよかったぁ」

「・・・遥だって野球出来るもんっ」

「遥は女だから無理だよ!」

「遊びたぁぁぁい!!」

「ふ~ん知~らなぁい。友達と野球しに行くからついてくるなよ?」

「行きたい行きたい!」

「ダメ!」
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