龍の女神となるべき姫【上】
俺たちは所詮、下っぱで。
姫なんか手の届かない存在だってわかってた。
だからたとえ1分だけだとしても、俺たちだけを見てくれるこの時間が嬉しかった。
俺たちはひと言も聞き漏らさないように、ジッと亜美さんを見つめた。
亜美さんは、今までの女なんかと全然違うって思ってた。
だけど、ここまで俺たちを思いやってくれるなんて、思いもしなかった。
言葉なんか聞かなくても、亜美さんがどれだけ素敵な人なのかは、よくわかった。
さすがは総長が選んだ姫だ―――