龍の女神となるべき姫【上】
「……なんや。
知らんかったから、普通にしゃべってくれてんな……」
『え?』
秋都ががっかりしたようにボソッと呟いたけど、私には何のことだかさっぱりわからない。
でも、失望させてしまったみたい……?
「あっ、亜美ちゃん。
秋都の言ったことは気にしなくていいからね」
留衣が顔の前で手を振りながら、慌てたように言った。
「やっぱ知らないままってのも、駄目だしね。
ちゃんと教えるよ」
心なしか、留衣の笑顔が固くなった気がした。